enhanced storage networking=拡張ストレージネットワーク?

8月11日の日記を書いたのは、翻訳レビューの仕事中にinstant messagingが「インスタントメッセージ」と訳されていたのを見て、そういえば「networkingを『ネットワーク』と訳している人がいたけど『ネットワークを拡張する』だと特定のネットワークの規模を拡張するみたいだなあ」と思ったのがきっかけでした。で、「ネットワークを拡張する」が実際にどういう文章だったか未だに思い出せないのですが、「enhanced storage networking」のような感じではなかったかと思います。それを「拡張されたストレージネットワーク」と訳すと、可算名詞のnetworkと「ネットワークを作る」という意味のnetworkingが区別されなくなってしまうけどいいんですか? というのがそもそもの疑問です(enhancedの訳が「拡張」でよいのかという問題もありますが)。
そういうわけで、似たような例を忘れないうちにということで8月20日の日記を書いたのですが、無駄な努力と言われても困ってしまいますね。「-ingがあってもなくても意味が同じならばカタカナ表記に反映しなくてよい」という考え方があるのはわかりました。しかし、「-ingの有り無しで意味が違っていても-ingは絶対にカタカナ表記に反映しない」主義の人がいるのではないかと思ったので、8月11日の日記を書いたわけです。
networking cardという言葉は普段の仕事では見かけないので気にしたことはなかったのですが、たとえば

  • networking module
  • networking stack
  • social networking service

のnetworkingをどう訳すかと言われたら、やはり「ネットワーキング」かなあ。「ネットワークモジュール」と「ネットワーキングモジュール」のどちらが「日本語」として適切か、正直いって判断できません。なので、原文の著者がnetworkingという表現を選んだことを尊重してそのままカタカナ表記します。クライアントの判断を仰ぐとしても、仮訳を提出するときにその訳を選んだ根拠を示さなければなりませんが、「Googleのヒット件数がこちらのほうが多かったので」というわけにもいきませんし。「networking stack」なんてお店に行っても買えないし。
ちなみに、IBMの用語集(https://www-06.ibm.com/jp/manuals/nlsdic/nlsdic.html)では「networking」単独の訳は「ネットワーキング」です。複合語の中の「networking」の訳には「ネットワーク」や「ネットワーク機能」もありますが。「Networking Services/2」が「ネットワーク・サービス/2」であるのに対して「Networking Services/DOS」は「ネットワーキング・サービス/DOS」ですね。これらの訳が決められた時点ではどういう考え方が主流だったのかは不明ですが、カタカナ表記の基準を決めることの難しさが表れているような気がします。