a(b + c + d)をab + ac + adと訳す手法?

前にも書きましたが、数式を展開するみたいに「mobile devices and applications」を「モバイルデバイスとモバイルアプリケーション」と訳すというやり方がしばらく前から流行しているような気がします。私の経験では、こう訳す翻訳者は一人や二人ではないし、翻訳会社から支給されるTMにも登録されていることがありますが、どうやって流行していったんでしょうか。こういう表現は「冗長」だといって嫌われるものだとばかり思っていましたが。
先週のCNET Japanの記事(http://japan.cnet.com/news/commentary/story/0,3800104752,20420056,00.htm)でも、次のような表現が使われています。

 だが、Nokiaの3人の経営者はときおり挑戦的な言葉や自己弁護的な言葉、執拗な言葉を交えて、同社が味方として必要としているプログラマーと携帯電話サービスプロバイダーに新たな決意を示そうとした。

原文(http://news.cnet.com/8301-30685_3-20016323-264.html)では

With words that were at times defiant, defensive, and strident, though, three Nokia leaders tried to show a new assertiveness to the programmers and mobile phone service providers that the company needs as allies.

となっています。「words that were at times defiant, defensive, and strident」が「挑戦的な言葉や自己弁護的な言葉、執拗な言葉」と訳されているわけですが、こう訳す必要はあるのかないのか。このwordがdefiantで、このwordがdefensiveで、このwordがstridentでという具合にばらせるものでしょうか。一つの単語がときおり(at times)defiantになったりdefensiveになったりするわけではありませんよね。英和辞典で「word」を調べると、

[しばしば pl.] (口で言う)言葉, 語 (speech); 話, 談話 (talk); [pl.] 口論, 議論, 論争 (quarrel).
(研究社新英和大辞典)

という語義も載っています。「defiant, defensive, and strident」とandで結ばれているということは、幹部の講演が時にはこの3つを併せ持つ口調になったのではないかと思います。幹部陣はかなり必死に、虚勢を張りながらも、うちの会社には実力があるんだから協力してほしいと訴えていたのでは。