IT翻訳者の疑問

この業界に入って約20年。私の疑問は相変わらず解決しません。

ローカリゼーション業界

L10N」って、はてなのキーワードになっているんですね。localizationをこう呼ぶことは知っていましたが、自分ではこの表記は全然使わないですね。
以前勤務していた翻訳会社も一応、外資ローカリゼーションベンダーに分類されていたようです。あるとき、本社から会社のWebサイトをリニューアルしたから日本語に翻訳するようにという指示が下りました。「お客様のtime-to-market時間短縮のお手伝いをします」みたいな美辞麗句ばかり書かれていましたね。そのくせ、Webにアクセスした人がいちばん知りたい情報がないのです。日本法人の正式名称すら書かれていないのでは、まともな事業を行っている会社だとは思えません。あちこちに求人広告を出していたくせに、「人材募集」のページでは「現在募集は行っていません」だし。日本のオフィスが移転したとき、新オフィス所在地の地図をjpgか何かの画像で作ったはいいのですが、メールに添付して関係各所に送りつけたとか……Webサイトに載せれば? と担当者に聞いたのですが、日本オフィス独自のコンテンツを載せるのは非常に困難だったらしいです。info@jp.xxxx.comなどという問い合わせ先アドレスもありましたが、「これって誰に届くの?」と聞いても誰も知らないという始末です。まあ、そんな状態だったからかどうかは知りませんが、会社はその後数年もたたないうちにつぶれてしまいました。
もっと立派なローカリベンダーならばその辺はまともかと思ったのですが……業界大手の会社でもプレスリリースのリンクをクリックすると英語版のページにジャンプするのはどういうことなんでしょう? 私も元勤務先のWebサイトを日本語化するときに「会社の売上にはならない仕事なので優先度は低い」と言われましたが、そんなのどの会社だって同じですよね。会社のWebサイトは一番の商品サンプルだと思いますが、うちの会社はこの程度しかやっていませんという見本をさらしているようなものです。

http://www.bowneglobal.com/japanese/index_flash.htm
ここなど、最新のニュースが2003年という寂しさです。というか買収のばの字も書かれていないんですけど。