IT翻訳者の疑問

この業界に入って約20年。私の疑問は相変わらず解決しません。

仕事の打診

連休前ということで、翻訳会社から連休のご予定は? と聞かれました。連休も仕事があればやりますと回答すると、さっそく、**の翻訳をお願いしますと言われました。
この**というのはソースクライアントの社名なのですが、「**の翻訳」だけでは仕事の内容がさっぱりわかりません。ファイルをもらってびっくり! というのは大げさですが、こんな条件だったら引き受けなければよかった…と後悔することもしばしばです。他の翻訳会社は、クライアント名(打診の段階では具体的な名前は出さないこともありますが、その場合は業種など)以外にも、どういう製品に関するどういうタイプの文書か、ボリューム(ワード数)、支払条件(ワード単価か時間単価か、流用分のディスカウントはあるか、特殊な条件のための割り増しはあるか)、使用するツールなどを初めから教えてくれます。当たり前ですよね。
この、どういうタイプの文書かというのが曲者です。翻訳会社の社員だったころの実話ですが、ハードウェアメーカーのWeb記事と聞いてテクニカルな内容かと思っていたらその会社の社会貢献の記事だったとか、自動車会社の仕事と聞いていたけれど支社からの収支報告書の書式で、自動車の知識はあまり必要なかったとかということがありました。「ソフトウェア」にしても、アプリケーションソフトならば、どういう分野のアプリケーションかによって必要な知識は全然違ってきます。
「**の翻訳」としか伝えてこない会社と、もっと詳しく教えてくれる会社とを比べると、後者の方がやりやすいので、私としてはできるだけそのような会社の仕事を選びたいのですが、選んでばかりでは目標の収入を達成できないのが辛いところです。