複数訳文の扱い

Tradosの翻訳メモリでは、1つの原文に対して複数の訳文を登録することもできるのですが、支給されたメモリがこの複数訳文だらけです。
たとえば「Description」といった単語1つだけの翻訳単位ならば、文脈に応じて「説明」だったり「Description」だったりするのはやむを得ないのですが、まとまった文章の訳が何通りもあるのはどういうことか。
どんな単純な文章でも、翻訳者が10人いれば10通りの訳がありえるのですが、そこを統一するのがエディターなりレビュアーなりの仕事です。けれども、大きなプロジェクトになるとエディターも複数いたりして、統一もままなりません。経験上、翻訳メモリを共有したぐらいでは統一は不可能です。だれか一人が最初から最後まで目を通せば、目立つ不統一は解消できるのですが。複数のエディターを使って作業期間を短縮することのトレードオフとして、訳文の統一をあきらめたのでしょう。文章の表現が多少違うぐらいならばともかく、キーワードの訳が不統一なのはどうかと思います。その製品固有の言葉ではないから用語集にも載っていない。たとえば、public keyを「公開鍵」と訳しても「パブリックキー」と訳しても間違いではありませんが、一つの文書で混在しているのはまずいと思います。