「〜できる前に」

『Tivoli® Decision Support for z/OS® レポーティング・ダイアログ・ガイド バージョン1.6』(http://publib.boulder.ibm.com/tividd/td/TDS390/SH19-6842-07/ja_JA/PDF/SH19684207.pdf)を資料として読んでいたのですが、このマニュアルには「〜できる前に」という表現が何度か出現します。

照会が変数を含む場合は、Tivoli Decision Support for z/OS が報告書を生成できる前にこれらの値を指定する必要があります。詳細は、27 ページの『変数の値の指定』を参照してください。
(48/152ページ)

a. 照会が変数を含む場合は、照会を実行できる前にこれらの変数を値で置換する必要があります。
(86/152ページ)

「生成できる前に指定する」や「実行できる前に置換する」が何を言いたいのかよくわからずイライラします。だいたい見当は付いているのですが、英語版(『Guide to the Reporting Dialog』)を見てみると、

If the query contains variables, you must specify their values before Tivoli Decision Support for z/OS can generate the report. See “Specifying values for variables” on page 25 for more information.

a. If the query contains variables, you must replace those variables with values before you can run the query.

となっていました。before you canを律儀に「〜できる前に」と訳していたということです。
それのどこがいけないのか? と言われるかもしれませんが、日本語として不自然です。「生成できる前に指定しなければならない」のなら、「生成できた後に指定したらどうなるのか」と思わずにいられません。
リーダーズ英和辞典のbeforeの項にある用例

You must sow before you can reap. 《諺》 `まかぬ種は生えぬ'.

と同じで、must以下を行わなければ、you can以下が実現しないということですよね。
原文に忠実に訳していれば、この程度の不自然さはどうってことないのでしょうか? 私はそうは思いません。少なくとも、一読者として日本語訳だけ読んだときに、自分が正確に文章の意味を理解できているかどうか、不安になります。自然で正確な訳にするための手間をかけていられないというのならば、この手の技術文書は英語でも日本語でも内容は同じだろうから、クリック一つで原文のページにジャンプできるような仕掛けがあるとよいですね。読者が使うソフトウェアはインターフェースが英語で表示されるので、英語を読むのは苦にならないはずです。