「合わせる」vs「合せる」

ソースクライアント作成のスタイルガイドには、たいてい、送りがなの付け方の規定があって、「語尾変化する部分から送る」などと書かれています。http://www-06.ibm.com/jp/manuals/nlsguide/Rule.pdfなどもそうですね。
私が現在参加しているプロジェクトでも、同じく「語尾変化する部分から送る」と書かれているのですが、例として

○行う ×行なう
○問い合せる ×問い合わせる

と書かれています。この、「問い合わせる」がNGで「問い合せる」がOKというところに抵抗を覚えます。
たしかに、国語辞典の見出し語は

あわ・せる【合(わ)せる・併せる】
大辞林

となっているので、「あわ」が語幹、「せる」が活用部分ということですね。ちなみに、他の辞典では

あわ・せる 【合わせる(併せる)】
明鏡国語辞典
あわ・せる【合わせる・会わせる・逢わせる・遭わせる】
広辞苑
あわ・せる【合(わ)せる】
新明解国語辞典

といった感じで、「合せる」という送り方はないことになっているものもあります。

送りがなの規則としては、昭和48年内閣告示第2号「送り仮名の付け方」がありますが、この通則2には

活用語尾以外の部分に他の語を含む語は,含まれている語の送り仮名の付け方によって送る。(含まれている語を〔 〕の中に示す。)
〔例〕
(1) 動詞の活用形又はそれに準ずるものを含むもの。
  動かす〔動く〕 照らす〔照る〕
(後略)

と書かれています。「合わせる」には「合う」が含まれているので、「わ」から送らなければならないと思います。
では、なぜ「合せる」が許されるかというと、「複合の語」の通則6に

許容 読み間違えるおそれのない場合は,次の( )の中に示すように,送り仮名を省くことができる。
  〔例〕  書き抜く(書抜く) 申し込む(申込む) 打ち合わせる(打ち合せる・打合せる) 向かい合わせる(向い合せる) 聞き苦しい(聞苦しい) 待ち遠しい(待遠しい)

という規定があるからですね。スタイルガイドの例で「問い合せる」だけが取り上げられている理由は不明ですが、「例外」を作りだすときりがないので、なるべく例外はなくしていただきたいものだと思います。
前述のIBMの翻訳ガイドでは、送りがなに関して内閣告示第二号に準拠する旨の記述がありますが、スタイルガイドでこのような「よりどころ」が示されているものは、私の経験では半々ぐらいです。「問い合せる」をOKとしているクライアントのスタイルガイドでも、何に従ってこう決めたかという記述は特にありませんでした。やっぱり単に「好み」で決めているからなのでしょうか。