Tradosを使うと仕事が増える

少し前にマニュアルのアップデート翻訳の仕事を受注して、送られてきたファイル一覧を見てみたら、100%マッチが約15,000ワード、95-99%マッチが約10,000ワード、それ以外が約200ワードでした。100%マッチは作業対象外なので、それ以外の約10,200ワードが作業対象ということになります。いざ作業に取りかかってみると、ファジーマッチの部分はほとんどがタグの変更のみか、100%マッチの複数訳文が存在するのでペナルティ-1%が付いているものでした。10,200ワード分のセグメントを開いて訳をひととおり入れ終わっても、「翻訳」をした記憶がない。多少テキストの変更はあったような気がしますが、覚えている限りではせいぜい4、5か所です。
4、5か所なら、前のバージョンと今回のバージョンの英語FrameMakerファイルの差分を取って、変更されているところだけ日本語FrameMakerファイルに直接修正を入れれば1日で終わりますが、Tradosを使うと翻訳とチェックだけでも2日はかかるんですよね。さらにDTPも必要ですが、150ページのDTP作業には何日ぐらいかかるんでしょう?
「100%マッチの複数訳文が存在する」というのも、翻訳メモリの整備がなってないのが原因です。メモリが整備されていれば、99%マッチとしてカウントされていた分の大半が100%マッチ(=何もしない=支払なし)になるはずです。意地悪い見方をすれば、翻訳メモリを整備しないほうが翻訳会社にとってはバージョンアップのときに多くのお金をもらえるということですね。
翻訳会社にしてみれば、25,000ワード程度の案件だったら、事前に分析してやり方を考えるよりは、Tradosを使ういつものやり方でさっさと終わらせた方が楽なんだと思います。「今回のバージョンアップでは、テキストの変更は4、5か所しかありません」とソースクライアントが最初に教えてくれればいいんですけどね。