「原文の意味が分かりません」というコメント

原文に不備があって、どう考えても文法的におかしいという文章はたまにありますが、一度読めば簡単に理解できる文章なのに「意味が分からない」とか「こういう解釈でよいでしょうか」というコメントを付けられると、ぶち切れそうになります。操作手順の説明ならば実機確認しなければ具体的な動作がわからないということもあるでしょうが、そのソフトウェアはどういうシナリオで利用できるかという概念の説明は、原文をしっかり読んで理解するしかないのです。その部分が抽象的すぎてわからなくても、別の章には具体的な説明があるかもしれません。そういう手間を惜しんで適当な訳をつけてコメントを付けて納品してしまうって、どういう神経をしてるんでしょうか。他人のアラはよく目につくので、ついつい辛口になってしまいますが、ソースクライアントやエンドユーザー相手にプロの翻訳者が「原文の意味が分かりません」と言えますか?
私はレビューの仕事をしていますが、特別な資格を持っているわけでもなく、翻訳者としての自分のスキルを使って訳が適切かどうかを判断しているだけです。一次翻訳者と一つだけ違うところがあるとすれば、そのプロジェクトにかかわる時間が翻訳者より長いので、対象の製品についての知識が少しだけ多いということです。「管理者はユーザーにアクセスを提供できます」のようなそのまんまの訳は珍しくもないので黙って直しますが、原文の構造を無視して組み立てられた訳文を15パズルのごとく、ああでもないこうでもないといじっているとくたびれてしかたがないので、これからは、翻訳会社からフィードバックを求められていなくても逐一報告することにします。