ワードカウントにおけるファジーマッチ分のウェイトは適切ですか?

Tradosなどの翻訳支援ツールを使うと、過去の訳を流用できるというのは周知のとおりです。100%マッチだけでなく、99%以下のファジーマッチも、「訳文を一部手直しするだけで流用できる」という理屈のもとに、新規分に比べて単価がディスカウントされるのが一般的です。ファジーマッチ分のウェイトは翻訳会社によってまちまちですが、新規×70%のところもあれば20%のところもあります。
では、ほんとうにファジーマッチ分の手間が新規の70%なり20%なりで済むというかと、そうでもないと思います。確かに、セグメントを開いて訳を取得して、黄色くハイライトされたところを比較して訳を修正するだけで「翻訳」はできるので、新規分より楽でしょう。しかし、見直しの手間は新規だろうがファジーだろうが変わりはありません。「見直しをしない」というやり方もあるでしょうが、一つの文書の中に新規もファジーマッチ分も混在していて、ファジーマッチ分だけ飛ばして読むわけにもいきません。
翻訳レビューのときは、むしろファジーの方が手間取るような気がします。原文と、翻訳メモリ(TM)の訳と、翻訳者の訳を見比べなければならないのだから。レビューの仕事を始める前に「1日だいたい5,000ワードで」といわれて引き受けたら、その「5,000」というのはウェイトをかけた後の数字で、実際のワード数はもっと多かったということもあります。発注側にとっては、過去訳を流用できるので翻訳コストを多少下げられるというメリットがあるのでしょうが、現場レベルではファジーマッチだから楽ということは決してありません。