Tradosを使いさえすればローカライズできますか?

相変わらず、ソフトウェアのリソースファイルだけをよこして翻訳しろと言ってくるローカリベンダーがいます。それもいつものドキュメント翻訳と同じレートで。UI翻訳は割が合わないので基本的には引き受けないのですが、実機確認できる環境が用意できて、なおかつ実作業時間で報酬をいただける場合に限って引き受けます。最近はそのような案件はほとんどありませんが。
今回打診された案件の「ソフトウェアのリソースファイル」はExcelファイルでしたが、困ったことにそのローカリベンダーは「ttxに変換したのでTradosを使って翻訳してください」などと言ってきました。本人(一応PMらしい)はよかれと思ってやっているらしいのですが、わかってないですねえ。翻訳対象のストリングだけを抜き出したttxがどれだけ翻訳しづらいか。一応、類似製品のリソースから作ったTMがあるので流用できるところは流用し、repetitionの分はディスカウントするというつもりなのでしょうが、リソースのIDやコメントを参照するのにいちいちExcelファイルに戻らなければならないのが面倒くさい。コンテキストがわからないので翻訳を確定できないような場合は申し送りのコメントを書かなければなりませんが、Excelならば同じ行の別のセルに入力すればいいのに対して、ttxだと別ファイルに改めて入力しなければなりません。場所を特定するためにリソースIDを引っ張ってきたりという余計な手間もかかります。そんなのやってられません。
「わかる範囲で訳して、確認は後の工程に任せる」というのもフリーランス翻訳者の姿勢としては有りでしょうが、そういう仕事ってやってておもしろくないんですよね。翻訳者が想像したコンテキストが違っていたら、翻訳者の仕事は無駄になってしまいます。storeが「保管」だと思っていたら「店」だったとか。後の工程でしっかりチェックしてくれるかどうかも怪しいし。どうも、今回の案件はローカリベンダー自身もクライアントからリソースファイルしか支給されていないみたいです。日本語ビルドを作ってテストするところまでやるのがローカリゼーションベンダーの仕事だと思っていたのですが。
とりあえず、何でもTradosを使いさえすればいいという考え方は改めていただきたいものです。PM自身に実務経験がなくても、新しい案件を受注したときに同じ会社のlinguistやエンジニアに進め方を相談しなかったのかなあ。丸投げベンダーならそんなことしないかもしれませんね。