IT翻訳者の疑問

この業界に入って約20年。私の疑問は相変わらず解決しません。

A, B, and Cの訳し方

baldhatterさんのブログを見ていて思い出しました。「A、B、およびC」に決まってると思ったら大間違いで、こんなところにもクライアントごとの好みの違いが現れるようです。
あるクライアントのスタイルガイドには、「および」の前に読点を入れるなと書かれています。つまり「A、BおよびC」ということですが、BとCの結び付きが特に強いように見えるのであまりよくないやり方だと思います(わかりやすいマニュアルを作る 文章・用字用語ハンドブックの106ページにもそう書かれています)。それなのに「および」の前の読点を嫌がるのには一体どういう理由があるのでしょうか。全角1文字分のスペース節約ってことはないと思いますが。
そうかと思えば、「および」を入れるなという指示も見たことがあります。「A、B、C」ということですね。単語を並べるだけならばこれでもよいかもしれません。私自身、技術文書ではなく読み物系のときは、「および」だと堅苦しい感じがするので省いてしまったりすることもありますが、列挙がどこまで続くかがわかりづらくなることがあるので、やはり技術文書ならば最後の要素の前に「および」は入れるべきだと思います。あと、単語が2つだけのときに「A、B」というのも変なので。
これに関して、これまでに見たクライアントからの指示の中で一番の謎は「列記するものが4個以上ならば最後の要素の前に『および』を入れる」というものです。3個のときにはどうして欲しかったのでしょう?