「個別」

10月6日にも書きましたが、「個別」も、最近の翻訳/レビューの仕事でやたらと目にする表現の一つです。
この言葉を辞書で調べると

一つ一つ。一人一人。また,それぞれを別々に扱うこと。一個ごと。 「生徒を−に指導する」(大辞林
全体を構成しているものを切り離した一つ一つ。個々別々。「―に交渉する」「―指導」(大辞泉

などと語義が書かれています。別々に扱うということなので、「個別に指導する」のような副詞としての用法はごく自然ですが、「個別のファイル」のように形容詞として使われていると、ちょっと意味がわかりづらくなることがあるかと思います。

スパムを個別のフォルダにファイリングする
この例では、ローカルメッセージストアに届くメッセージをテストし、spam というフォルダ内にスパムをファイリングします。最初の 3 つのステップは任意の順序で実行できます。
出典:http://docs.sun.com/app/docs/doc/820-0511/6nc8d8kik?l=ja&a=view


To File Spam to a Separate Folder
This example tests messages arriving at the local message store and files spam into a folder called spam. The first three steps can be done in any order.
出典:http://docs.sun.com/app/docs/doc/819-4428/bgate?l=en&a=view

「個別のフォルダ」とは「a folder called spam」のことですね。「個別」が「全体を構成しているものを切り離した一つ一つ」ならば、何が「全体」で何が「一つ一つ」なのか。スパムメールを1通ずつ独立したフォルダーに入れるというわけではありませんよね。通常のメッセージを入れるフォルダーとは別のフォルダーにスパムをまとめて隔離することならば、「個別」は「別の」でよいと思います。