否定語+orの訳し方

Active Directory は Exchange 組織データの構成リポジトリです。この構成情報がなければ、Exchange サーバーを起動または稼働できません。
出典:http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/bb125206(EXCHG.80).aspx


Active Directory is the configuration repository for Exchange organization data. Without this configuration information, Exchange servers cannot start or function.
出典:http://technet.microsoft.com/en-us/library/bb125206(EXCHG.80).aspx

このような「否定語+動詞A or 動詞B」を「動詞Aまたは動詞Bできません」と訳す人が時々います。先日も、QA(Quality Assurance)の仕事でこの手の訳文を見かけたのでエラーとしてリストアップしたら、その訳を担当した翻訳会社から「エラーではなく好みの問題である」というコメントを受け取りました。では「Exchange サーバーを起動または稼働できません」という表現は正しいのでしょうか?
否定語+A or Bの形のときはAとBの両方を否定しているということは、高校生向けの英和辞典のorの項にも書かれていますが、なぜ翻訳の仕事となると「起動または稼働できません」でも通用してしまうんでしょう? 一体何を否定しているかがわからなくてイライラしませんか? 「Exchangeサーバーは起動も稼働もしません」でよいと思いますが。
翻訳スタイルガイドに「orは『または』と訳す」という規定があるから、否定文でもおかまいなしに「または」で通しているのでしょうか。確かにクライアントからの指示は最優先しなければなりませんが、英語や日本語という言語が元々持っているルールをねじ曲げてまで適用すべきではないと思います。

ローカル一時テーブルのインデックスの作成、再構築、または削除は、オンラインでは実行できません。
出典:http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ms190981.aspx


Indexes on local temp tables cannot be created, rebuilt, or dropped online.
出典:http://msdn.microsoft.com/en-us/library/ms190981.aspx

この場合は、「作成、再構築、および削除は、オンラインでは実行できません」ですよね。「作成、再構築、または削除をオンラインで実行することはできません」ならば「または」でもよいと思います。作成、再構築、削除はいっぺんに実行するものではなくて、一度にこのうちのどれかしか実行しないはずなので。