話の先が読めない文章

最近、翻訳レビューの仕事をしていて、論理展開がわかりにくい訳文をたびたび見かけますが、http://mainichi.jp/life/electronics/cnet/archive/2009/02/06/20387761.htmlにも似たような文章がありました。

「Fix it」ボタンのオプションが提供されるのは、まだかなり珍しいケースであり、現在では、約100に上るヘルプドキュメントが対応している。とはいえ、このオプションの提供は急速に普及しており、2008年12月の最初のスタート時には、まだ4種類のヘルプドキュメントしか対応していなかった。

「まだかなり珍しいケースであり」に続く部分では、そのケースの少なさを述べるのかと思えば「約100に上る」です。「上る」の意味は「数量が,結果としてある大きな値になる。達する。」(大辞林)ですが、約100という数が多いと言いたいのか少ないと言いたいのか。
「とはいえ」という接続詞の後は、先行する部分で述べたことと反する記述が来るだろうと予測されます。「『提供』は『普及』するものなのか」という引っかかりを覚えつつも、Fix itボタンを持つヘルプドキュメントが増えているんだろうと思って読み進めていくと「まだ4種類のヘルプドキュメントしか対応していなかった」と締めくくられていて、ずっこけてしまいそうです。
この記事は英語から日本語に翻訳されたもののようですが、原文(http://news.cnet.com/8301-13860_3-10157210-56.html)では

The "Fix it" option is still fairly rare, showing up in around 100 different help documents. The effort is growing rapidly, though, up from just four such fixes when the program quietly began in December.

となっています。「とはいえ」の前の文の内容と反する部分は「急速に普及している」までなのだから、そこでいったん文を切ればよかったですね。「とはいえ、このオプションの付加は急速に進められている。特別なアナウンスもなく2008年12月にこの取り組みが始められたとき、わずか4ドキュメントだったのに比べれば。」といった感じで。
ちなみに、Fix itボタンのあるページの例がhttp://support.microsoft.com/kb/945402ですが、前後の説明が機械翻訳なものだから、この問題が自分のPCで発生していたとしても、怖くてクリックする気にはなれません。