「〜することで〜ようにします」

翻訳レビューの仕事を始めたばかりの頃、「〜することで」という表現に我慢がならず、目にするたびに書き換えていました。「〜することで」には、いかにも「...ingをそのまま訳しました」という雰囲気があるので。最近では私も少し寛容になりましたが、「〜ようにします」が後に続くともうダメです。
「〜ようにします」という述語を使って言おうとしているのは目標(あるいは目的)ですよね。「〜することで」が表しているのはその目標を達成するための手段です。だったら「〜ようにするために〜します」と表現するのが自然ではないでしょうか。
例を挙げてみます。

最後の手順では、アプリケーションの web.config ファイルの 構成セクションに登録することで、モジュールをアプリケーションで実行できるようにします。このセクションには、フォーム認証などのいくつかの組み込み ASP.NET モジュールが既に既定で登録されています。アクセス制御用に作成された web.config ファイルの上に、次のような新しいモジュールを追加できます。
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/magazine/cc135973.aspx


The final step is to enable the module to run in the application by registering it in the configuration section of the application's web.config file, where a number of built-in ASP.NET modules such as forms authentication are already registered by default. Building on the web.config file created for access control, I can add the new module like so:
http://msdn.microsoft.com/en-us/magazine/cc135973.aspx

「to enable the module to run in the application」が目標で、「by registering it in the configuration section of the application's web.config file」がその手段ですよね。そのまま頭から読んで「モジュールをアプリケーションで実行できるようにするために、アプリケーションの web.config ファイルの 構成セクションにモジュールを登録します」と訳せばよいと思うのですが。私は何が何でも頭から訳す主義を取っているわけではありませんが、原文の著者の思考の順序に沿って訳せば、読者から見てわかりやすい訳文ができるはずです。この例の文章は「最後の手順」を述べたいのだから、具体的に何をすべきかをはっきり示すように訳文を組み立てたほうがよいと思います。