オバマ米大統領演説和訳の比較

せっかくなので、別の部分も和訳を比較してみようと思います。抹茶アイスの想い出や日本の人々への感謝の気持ちを述べた後の部分です。
英語(http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20091115f1.html

Now, I am beginning my journey here for a simple reason. Since taking office, I have worked to renew American leadership and pursue a new era of engagement with the world based on mutual interests and mutual respect. And our efforts in the Asia-Pacific will be rooted, in no small measure, through an enduring and revitalized alliance between the United States and Japan.

共同通信http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009111401000696.html

 ここ(日本)で外遊を始めるのはたった一つの理由からだ。就任以降、私は米国のリーダーシップの一新と、互いの利益と互いの尊重に基づく国際社会に関与する新しい時代の探求に取り組んできた。われわれのアジア太平洋地域での取り組みは、米国と日本の不朽かつ活性化した同盟に根差していく割合が大きい。

朝日新聞http://www.asahi.com/international/update/1114/TKY200911140237.html

 私が今回の歴訪を日本から始めた理由は簡単だ。就任以来、米国のリーダーシップを刷新し、互いの利益と尊重に基づいて世界と関与する新たな時代を追い求めてきた。アジア太平洋での我々の取り組みは、揺るぎなくかつ活性化した日米同盟を通して大いに定着していくことだろう。

読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091114-OYT1T01011.htm

 今回の歴訪をここから始めた理由は単純だ。就任以来、私は米国の指導力を刷新して、相互利益と互いの尊敬に基づいて世界に関与してゆく、新しい時代を追求してきた。アジア太平洋地域における我々の努力は、かなりの部分、試練に耐え、新たな活力を与えられた米国と日本の同盟を通じて根付いてゆくのだ。

日本経済新聞http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt245/20091113MMSHaa000013112009.html

 日本で外遊を始めた理由は簡単だ。大統領になってから、私は米国の指導力を一新しようとし、相互の利益と敬意に基づく新しい時代の世界へのかかわり方を模索してきた。そしてアジア太平洋地域での我々の努力はかなりの部分、新しい活力を与えられた不朽の日米同盟を通じてなされていくことになろう。

毎日新聞http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091114mog00m010038000c.html

 この旅を、ここから始めた理由は簡単だ。(大統領)就任以来、私は米国の指導力を回復することと、相互の利益と尊重に基づき、米国が世界に関与する新時代を追求することを目指して働いてきた。そして、我々のアジア太平洋地域での努力は、少なからず、永続的で活性化された日米同盟に根差している。

冒頭の「Now, I am beginning my journey here for a simple reason.」というセンテンスはどこも「理由は〜だ」と訳していますね。「英語の述語は日本語でも述語にすべき」主義の人ならば、エキサイト翻訳みたいに「今、私は簡単な理由でここで旅行を始めています。」と訳すのでしょうか。オバマ大統領が「I am beginning my journey here」なのはわかりきったことであり(既に日本に到着しているのだから)、ここで言いたいのは「a simple reason」が何かということです。それを段落の残りの部分で述べているわけですが、英語では「between the United States and Japan.」が段落の末尾に来ています。まさにここが強調されているのですが、日本語だと「アメリカと日本」を文末に持ってくるのは難しく、その分、強調が弱くなってしまうのが残念です。