Trados Studio 2009 Webサイトの「再生」タブ

この間来ていたダイレクトメールによれば、Trados Studio 2009の特別価格セールは12月31日までだそうですが、実はまだアップグレードしていません。だってふだんの仕事ではTrados 7.5より新しいバージョンを要求されることがほとんどないのです。まあそのうち、アップグレードできなくなる前にしようとは思ってますが。
Studio 2009でいったい何が変わったのかを知りたくてWebサイト(http://www.translationzone.com/jp/products/sdl-trados-freelance/)にアクセスしてみましたが、文字情報は多すぎるほどあるものの、説明が抽象的すぎてよくわからないんですよね。それよりも気になるのは「再生」タブの存在です。一体何が再生されるのかと思ってクリックしてみたら……ゲームの画面でした。英語のページを見てみるまでもなく、「Play」が「再生」と訳されているようです。

このブログを書く目的は、高いところからあれこれ批評することではありません。こういうことは、自分もやってしまわないとも限らないので、なぜこうなってしまったかを考えてみたいと思います。
こうやってWebブラウザーに表示されるページを見て、「Play」を「再生」と訳すとしたら、融通が利かないにもほどがあります。「用語集には『play』の訳は『再生』しかないから!」と言って全部「再生」で通す翻訳者はいないでしょう。一つ考えられるのは、「Webブラウザーに表示されるページ」を見ることができない状態で翻訳をしていたということです。翻訳の時点では、英語版のページも公開前なので見ることができなかったとか。WebページがHTMLで書かれていればブラウザーで表示することもある程度は可能ですが、残念ながら、Webページでありながら、翻訳者に渡される翻訳用ファイルがHTML形式ではないこともしょっちゅうです。WindowsエクスプローラーでファイルをダブルクリックしてもせいぜいXMLのソースしか表示されない。そういうわけで、これは見出し、これは本文と、文脈を想像しながら翻訳しなければなりません。馬鹿馬鹿しいですね。まともなプロジェクトならば、XMLをローカルでブラウザー表示用に整形してくれるしくみを用意してくれるはずですが、あまりに小規模な案件だとそれも期待できません。だったら、翻訳が終わった後で実際の環境で表示の最終チェックをすればよいのですが、翻訳者がそこまでさせてもらえることはめったにありません。
ここまで書いたことはあくまで私の経験から考えられることであって、Trados Studio 2009のページが実際にどうやって日本語化されているかは知りませんが、playという単語一つでも訳し方を間違えればWebサイトの質がぐっと変わってしまうという、ローカライズの難しさを、ベンダーが自ら示してくれているのかもしれません。