最近の翻訳会社(というかMLV)

  • 以前では考えられなかったような、無茶苦茶な条件で仕事を受注してくることがあるようです。たとえば3日で3万ワードとか。例の翻訳支援ツールを使うと10時間ぐらいでできることもあるらしいですが、私のところに来るような案件では、通常は1日2,000ワード、がんばっても3,000ワードがやっとだと思います。ではどうやって3日で終わらせるかというと、翻訳者を10人集めて1人当たり3,000ワードやらせるんだそうです。編集やチェックをいつやるのかは知りませんが。なんでそんなに急いでやらなければいけないのか。
  • 私個人の経験では、小さいファイルばかりで合計3万ワードもあるような案件だと、結構繰り返しが多いので、1人が担当する分量が多ければ多いほど効率も品質も良くなるはずです。そうでなくても、3万ワードのうちの3,000ワードなんて、どういうドキュメントかを考えているうちに終わってしまいそう。
  • その繰り返しですが、未だに「頻出分節を先行翻訳」するしかないんでしょうか。Trados Studio 2009でも、cross-file repetitionsのカウントはできても、処理は自動的にはしてくれないと聞いてがっかりしてます。本当に自分たちで使ってるのだろうか。IdiomのWorkbenchですら、繰り返しセグメントを初出とそれ以外に分けてマーキングしてくれるのに。
  • 翻訳会社としては、repetitionに関しては何も前処理しないで黙って翻訳者に渡すのが一番楽なんでしょうね(特にやっつけ仕事の場合)。でも、翻訳者にしてみればいい迷惑です。repetitionの分の報酬はよくて新規の10%、ひどいとゼロですから。本来のrepetition(自分が訳したものが別の箇所に出現する)のならまだしも、全体で2回しか出現しない分節が翻訳者Aと翻訳者Bの担当分に1回ずつ出現すると、片方はrepetitionなのに新規翻訳しなければならなくなります。100ワードぐらいなら面倒なので黙ってやりますが、ある程度の量があるようならば、repetitionのセグメントを翻訳対象から除外するよう、翻訳会社に訴えるべきです。ただ働きになるだけでなく、せっかく訳しても使われない可能性があるのでは馬鹿馬鹿しいので。
  • 相変わらず、バイリンガルファイルだけを翻訳者に渡して翻訳させればローカライズ一丁上がりと思ってる自称ローカリゼーションベンダーがいます。文脈がわかるものを欲しいと訴えると「クライアントからもらっていないので」……そういうのを子供のお使いというのでは。
  • 文脈といえば、ソフトウェアのUIもドキュメントと同じように翻訳者に翻訳させる自称ローカリゼーションベンダーがいて困っています。UIって1日2,000ワード翻訳できるかどうかわからないでしょ? 作業用ファイルを見ると、単語が並んでいるだけで、スクリーンショットもなければ製品情報も全くない状態で、いつものレートでしれっと発注してこようとするので、あれこれ抗議するものの、全然わかってくれません。そういうわけで、UI翻訳は断ることにしています。