フィードバックの意味

先日の日記で、なぜ妙な手法が流行するかが不思議だと書きましたが、一つ思い当たることがあります。それは翻訳会社(特に二次ベンダー)からのフィードバックです。「このクライアントは自社のことを『弊社』ではなく『我々』と呼ぶ」といった、クライアント独自の表記の指示があればもちろん従いますが、時には翻訳手法にまで踏み込んだ、ちょっとそれには従いたくないよなあと思う“フィードバック”がくることもあります。具体的にどういうのかというと、今までこの日記に書いてきたようなことです。翻訳会社の“チェッカ”は本当にそれでいいと思ってやっているのか。
たぶん、翻訳メモリー(TM)にそういう訳が入っていて、前から使われているのだからそれに合わせようという方針なのだと思います。あと、先日書いたような、中途半端なスタイルガイドの指示を機械的に当てはめたがる翻訳会社も困りものですが、無難に済ませたいという気持ちはわかります。クライアントの機嫌を損ねて仕事がなくなったら困りますし。だからといって、昔からの変な訳し方をいつまでも踏襲するのはどうかと思います。
言ってはなんですが、TMに入ってる訳なんて誰がレビューしたかわかりませんよ。10年ぐらい前ならともかく、今はマニュアルの訳をクライアント企業がフルレビューすることは少ないと思います。レビューしたとしても、その企業の製品のことも英語のことも翻訳のことも知り抜いた人間がクライアント企業内に何人いるか。MLVだってせいぜいサンプルチェックで、あとは二次ベンダーに丸投げしてることも多いのではないでしょうか。日本語を読んだだけで笑ってしまうような訳を放置してるくせに、枝葉末節的なことをあれこれ指摘されると、品質ってなんだっけと考えてしまいます。
そういえば以前、逆にこちらが翻訳会社の立場で、二次請けのベンダー宛てにフィードバックを書いたら、ことごとく「それは好みの問題だ」で済まされたことがあります。一読して意味がわからないのはエラーだと思ったのですが。考えかたも人それぞれですねえ。