コンピュータ関係の翻訳で、動詞のlistを「リストする」と訳してしまうのは、もしかしたら用語集に
英語 | 日本語 |
---|---|
list | リスト |
と書かれているからなんでしょうか?
翻訳の仕事では支給された用語集の訳に従うことは必須ですが、この用語集というのが単なる対訳集でしかないことが多くて困ります。
どうかすると
英語 | 日本語 | 備考 |
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List | 一覧 | |
list | リスト |
などという、原語は同じなのに訳語が微妙に異なっていて、それなのに備考欄に何も書かれていなかったりします。どうやって訳し分けろと? 用語集の目的を考えれば、自ずと品詞や文脈情報も盛り込まれるはずと思うのは私だけでしょうか。
上のlistの例で言えば、用語集に載っているのはおそらく名詞としての「リスト」なのに、動詞としてのlistにも当てはめてしまうのはまずいと思います。末端の翻訳者としては、勝手に訳を当てるよりもきっちり用語集に従っておけば無難という考え方もあるかもしれません(賛同はしませんが)。
用語集に従っていても訳文が日本語として読みづらければ意味がないのですが、「用語集ではlistの訳が『リスト』ですが、ここでは動詞として使われているので別の訳に変えました」などというコメントをいちいち書くのも面倒くさいんですよね。かといって黙って変えると、融通の利かない翻訳会社のチェッカーに「リストする」に戻されてしまったりしまうかもしれないし。