IT翻訳者の疑問

この業界に入って約20年。私の疑問は相変わらず解決しません。

違和感のある仮定形(「~すれば」」

翻訳ものの文章を読んでいて、「~すれば」「~行えば」という仮定形の使われ方に違和感を持つことが最近増えてきたように思います。

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用語集管理を行えば、明確な使用ルールを決めて用語を整理できるため、効果的で正確な翻訳が実現します。つまり、訳文の中で正しい用語を使用できます。

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Terminology management allows you to achieve effective and accurate translations by organizing these terms with a clear set of rules for their usage; this ensures that the correct term is used within a translation.

 

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なんとなくぞんざいな感じがすること以外に、自分ではこういう表現を使いたくない理由を考えてみました。文法的には問題ないんですけどね。「XすればYになる」という形で、条件とその条件が満たされたときに成立する事項を述べるという使い方もできます。

この「ば」の使い方について、『日本語文型辞典』で調べていたら、仮定条件を表す「ば」は、XがYを成立させるための必要十分条件であるときに用いられるという記述がありました。

つまり、「用語集管理を行うだけで効果的で正確な翻訳が実現する」、「Trados Studio 2021とTrados Liveを組み合わせるだけでチームメンバーはどこにいるときも高品質な翻訳を提供できる」と解釈されることに引っかかっていたのかもしれません。