IT翻訳者の疑問

この業界に入って約20年。私の疑問は相変わらず解決しません。

NHKのニュースで「ことし1番の暖かさ」

昨日(4月10日)、NHK総合テレビのニュースを見ていたら「ことし1番」という表記が目に入ってびっくりしました。ネットで一般人が発信する文章では、漢数字を使うべきところがアラビア数字になっているのも珍しくないのですが、NHKでもそうなっているとは。「いちばん(一番)」は国語辞典の見出し語になっている言葉ですよね。

www3.nhk.or.jp

Twitterでこのニュースを検索すると、「ことしいちばんのあたたかさ」の表記は揺れているようですね。

我々の業界ではもちろん、「数字の部分を入れ替えても成立する場合はアラビア数字、そうでない場合は漢数字」といったルールがあるので「今年1番の暖かさ」という表記はNGです。「今年2番目の暑さ」ならOKですが。順番ではなくbestの意味の「一番」は「いちばん」と表記すべきという規則もどこかで見たような気がします。

最近、NHKのアラビア数字の使い方が気になることがよくあります。大河ドラマのタイトル「鎌倉殿の13人」は意図的にそうしたという説明をどこかで読んだことがありますが、年末恒例のベートーベン作曲交響曲第9番を、NHK「第九」ではなく「第9」と表記するのがお好きなようです。

「第8」があるわけではないので(ベートーベン作曲交響曲第8番はあります)「第9」は変だと思いますが、スポンサーが設定した公演のタイトルでは「第九」と表記しているもののN響のポスターでも「第9」と表記されていたようなので、相当強い信念があるようです。