IT翻訳者の疑問

この業界に入って約20年。私の疑問は相変わらず解決しません。

「people with physical challenges」を日本語でどう表現するか

Microsoftでは「身体の不自由なユーザー」だそうです。

先日取り上げた、Microsoft Azureのトップページにある事例の「その他の開発者向けストーリーを確認する」のリンク先(開発者ストーリー | Microsoft Azure)に、次のようなテキストがあります。

自己指導型の開発者は、障碍のあるユーザーのプレイフィールドをレベル付けする

特別なニーズに応えてビデオ ゲームをプレイしやすくするために、Alex Dunn は、身体の不自由なユーザーがゲームに戻ってくるのに役立つ音声と顔の手掛かりを使用するコントローラーを作成しました。有効なプレイ コントローラーは、テクノロジーアクセシビリティを高め、すべてのユーザー向けにパーソナライズできるようにします。

リンク元のページにあるのと同じ事例のことなのですが、ますますわけのわからないことになっています。機械翻訳されたという但し書きがないので、人間翻訳されたもののはずですが。

英語版(Developer Stories | Microsoft Azure)では次のように書かれています。

Self-taught developer levels the playing field for people with disabilities

To make it easier to play video games with his special needs brother, Alex Dunn created a controller that uses voice and facial cues to help people with physical challenges get back in the game. His Enabled Play Controller makes technology more accessible and personalized for everyone.

「people with disabilities」は「障碍のあるユーザー」、「people with physical challenges」は「身体の不自由なユーザー」、最後の「everyone」も「すべてのユーザー」。もう「ユーザー」以外の表現は使いませんという強い意志のようなものが感じられるのですが、英文の「his special needs brother」や「physical challenges」と同じことをどう日本語で表現するかについても、もっと神経を使ったほうがよいのではと思います。

それにしても、「障碍のあるユーザーのプレイフィールドをレベル付けする」が人間翻訳のアウトプットだとしたら、何を根拠に「levels the playing field for people with disabilities」をこう解釈したのかを聞いてみたいものです。「Enabled Play Controller」という固有名詞もなぜか「有効なプレイ コントローラー」と日本語化されているし。

参考までに、上記の英文を機械翻訳にかけてみました。

Bing翻訳

独学の開発者が障害を持つ人々のための競争の場を平準化

アレックス・ダンは、特別なニーズを持つ兄とビデオゲームを簡単にプレイできるように、音声と顔の合図を使用して、身体的な問題を抱える人々がゲームに戻るのを助けるコントローラーを作成しました。彼の有効なプレイコントローラは、誰にとってもテクノロジーをよりアクセスしやすく、パーソナライズします。

Google翻訳

独学の開発者は、障害を持つ人々の活躍の場を平等にします

アレックス ダンは、特別支援が必要な兄弟と一緒にビデオ ゲームをプレイしやすくするために、声と顔の合図を使って体に障害のある人がゲームに戻るのを助けるコントローラーを作成しました。 彼の Enabled Play Controller は、テクノロジをよりアクセスしやすくし、すべての人がパーソナライズできるようにします。

DeepL

独学で学んだ開発者が、障がい者の活躍の場を広げる

アレックス・ダンさんは、体の不自由な弟と一緒にビデオゲームを楽しむために、音声と顔の合図を利用して、体の不自由な人がゲームに参加しやすくするコントローラーを作りました。彼のイネーブルド・プレイ・コントローラーは、すべての人にとって技術をより利用しやすくし、パーソナライズすることができるようにします。