IT翻訳者の疑問

この業界に入って約20年。私の疑問は相変わらず解決しません。

2026-01-01から1年間の記事一覧

タグラインの日本語訳

先日取り上げた、Xのタイムラインに挿入されてくるStarlinkの広告については、画像の中にもなかなか興味深い部分があります。下のほうの、SpaceXのロゴの前のテキストが「設計:」のものと「開発:」のものがあるのです。 ストリーミング、ビデオ通話、オン…

XでのStarlinkの広告

ここのところ、X(旧Twitter)にアクセスすると頻繁にStarlinkの広告が挿入されます。その文面がちょっと不自然なのですが、目にする頻度があまりにも高いので一言言ってみたくなります。 ストリーミング、ビデオ通話、オンラインゲームなどを楽しめる、信頼…

Terminologyをimplementするには

trados.comには、Trados Studio関連のページ以外にもterminologyに関するコンテンツがあります。「Implementing terminology - take a hiatus on tradition」というタイトルのブログもその一つです。 https://www.trados.com/blog/implementing-terminology-…

Microsoftのterminology

Microsoftは以前から、スタイルガイドと用語集を一般公開しています。かつては「ランゲージ ポータル」というタイトルのWebサイトで公開されていましたが、今はこちらのページからリンクしています。 learn.microsoft.com 「用語集」と書きましたが、Microso…

Tradosの外の世界でのterminology

TerminologyはTrados固有の概念ではなく、翻訳業界固有のものでもありません。英和辞典で調べると語義に「術語学」があるように、一つの学問としても存在します。どういう学問かというと、「図書館情報学用語辞典」の「ターミノロジー」の項の説明によれば「…

Trados 2026のTerminology perfectedというメリット

「Trados Studio 2026リリースの新機能」というページにある4つの箇条書きには、「用語集の精度向上」という項目もあります。リリース前のページとは若干文面が違っているようなので、改めて英語版と併せて見てみることにしました。 https://www.trados.com/…

Trados 2026の最新のワークスペースとは

Trados 2006がリリースされたようなので、具体的にどこがどう新しくなったかを知りたくなり、「Trados Studio 2026リリースの新機能」というページを見てみました。リリース前に公開されていたページの内容とそれほど変わりはないように思います。 https://w…

グローバル市場とは

先日取り上げた記事の中に、もう一つ気になる部分があります。それは「AIがグローバル市場における文化的・感情的ニュアンスを適切に扱えると確信していません」のところです。「グローバル市場における文化的・感情的ニュアンス」とは、いったい何を指して…

人間翻訳者の文化対応能力

Tradosを販売している会社から届いたニュースレターで紹介されていた記事です。 https://www.rws.com/jp/about/news/2026/content-unlocked/ 記事のタイトルは「企業の94%はAIの文化対応能力に不安を持ちながらもAIを利用し続けている」ですが、その下には次…

個人翻訳者にとって用語集とは

先日取り上げた「Trados Studio 2026リリースの最新情報」のページからリンクしているブログにも、Trados 2026についての情報があります。 www.trados.com このページには4つの項があり、Trados 2026の最新情報のページの箇条書き4項目と対応しているようで…

Tradosにとってterminologyとは

ついこの間、Trados Studioを2024にアップグレードしたと思ったらもう2026の案内が来て、その料金体系を見てびっくりしているところですが、そんなにすごいソフトウェアになるのでしょうか。2024にも残っている、致命的なバグが解消されているといいのですが…

後ろから訳す理由

Appleも最近、大きなイベントでいろいろ発表をしたとのことで、それに関するニュースリリースが公開されていますが、気になるところがありましたので記録しておきます。 www.apple.com このページの最初の段落です。 Appleは本日、Worldwide Developers Conf…

関係代名詞that

news.adobe.com blogs.nvidia.co.jp news.adobe.com 引き続き、AdobeとNVIDIAが提携するというニュースリリースの両社の日本語訳を取り上げます。提携して具体的に何をするのかは、このニュースリリース本文に書かれているのですが、全体を読む時間がない人…

ニュースリリースのタイトルの訳し方

AdobeとNVIDIAが提携を発表したというニュースリリースが両社から同じ文面で出されており、その日本語訳が両社それぞれから出されているという興味深い事例を見つけたので記録しておきます。 news.adobe.com nvidianews.nvidia.com news.adobe.com blogs.nvi…

「工場などの空間」とは

「など」の使い方の興味深い例を見つけたので記録しておきます。フィジカルAIのトレーニングを実際の物理的な環境で行う代わりにその環境をシミュレーションする合成データを作るというテーマの文章のようです。 www.nvidia.com フィジカル AI モデルのトレ…

「主要な結果」という日本語のフレーズは通じるのか

先日のブログ(goalとobjectiveの訳し分けが必要な例 - IT翻訳者の疑問)で引用したAsanaというソフトウェアの説明文の中で、もう一つ気になることがあります。 asana.com Categorize your goal as an objective, key result, or individual goal—or use a g…

GoalとObjectiveの違い:Asanaによる定義

GoalとObjectiveはどう違うかについて、当のAsanaのサイトに説明がありましたので引用します。 asana.com A goal is a broad, long-term outcome while an objective defines specific, measurable actions to achieve that goal. Learn the key differences…

goalとobjectiveの訳し分けが必要な例

Asanaという「スケールアップを考慮して開発された唯一のワークマネジメントプラットフォーム」の中にGoalという機能があり、その説明の中にgoalとobjectiveの両方が出現します。そのどちらも「目標」と訳されているのですが、大丈夫なのでしょうか。 asana.…

poll A for Bの訳し方

動詞pollには通信用語としての意味もあり、その文脈で「ポーリング」という訳を使うのは一般的ですが、その応用が利かなくなっている訳を時々見かけます。 support.apple.com support.apple.com 宣言型デバイス管理とは、組織が既存のモバイルデバイス管理プ…

検証とvalidate

禿頭帽子屋さんのブログ(# 「○○を行う」? - 禿頭帽子屋の独語妄言 side α)に、問題がありそうな「○○を行う」のサンプルがいくつか挙げられていました。「行う」の使い方についてはいくつか思い当たることはありますが、 これらの原則に従ってデータシステ…

Agentic AIとは:HPEによる解説

www.hpe.com www.hpe.com HPEは、Agentic AIを「エージェンティックAI」と表現しています。 AIの進歩の次の段階であるエージェンティックAIは、LLM、機械学習、コーポレートオートメーションを使用して、人間の介入なしに複雑な複数ステップの操作を実行しま…

InferenceもReasoningも「推論」?

『有斐閣 現代心理学辞典』の「推論」という見出し語の英訳はinferenceとなっており、本文には次のような記述があります。 既存の命題的知識から新しい命題的知識を導き出すこと,またはその過程のこと。伝統的な論理学では,内容が真であるか偽であるかを一…

Agentic AIとは:Red Hatによる解説

このテーマについてはいろいろな企業のWebサイトに解説が掲載されているので、他の企業についても見てみました。 www.redhat.com www.redhat.com エージェント型 AI は、人間の介入を最小限に抑えながらデータやツールと対話するように設計されたソフトウェ…

agenticとagency

IBMの「What is agentic AI?」のページには、agenticという用語が使われるようになった理由も書かれています。 www.ibm.com Unlike traditional AI models, which operate within predefined constraints and require human intervention, agentic AI exhibi…

Agentic AIとは:IBMによる解説

Agenticという単語の訳だけではなく、Agentic AIの解説も見てみることにします。 www.ibm.com エージェント型AIは、限られた監視の下で特定の目標を達成できる人工知能システムです。これは、人間の意思決定を模倣して問題をリアルタイムで解決する機械学習…

Agentic AIとは

Generative AIを表す日本語の言葉は「生成AI」でほぼ確定していますが、agentic AIについては一つに絞り込まれてはいないようです。IBMのWebサイトでは「エージェント型」という表現が使用されています。その「エージェント型AI」とはどういうものかを、IBM…

MS製品日本語ローカライズの歴史

Microsoft米国法人でソフトウェアエンジニアとして働いていたけれども昨年突然レイオフされたという方の記事ですが、MSの日本市場への力の入れ方が時代とともに変化したというエピソードが興味深いです。 type.jp 太田さんが入社した2006年。当時のMSはまだ…

operationをどう訳すか

Salesforceのその他の業種別ソリューションのページを見ていたら、製造業向けのページ(製造業向けの最適なソフトウェアとCRM | セールスフォース・ジャパン)に「商業運転の最新化」というフレーズがありました。これはハイパーリンクになっていて、リンク…

名詞を3つ併記するときの表記

併記する名詞が2つではなく3つのケースも見てみました。 www.salesforce.com www.salesforce.com ページ左上のカテゴリ名「Travel, Transportation, & Hospitality」は、日本語ページでは「旅行・運輸・ホスピタリティ」ですが、ページ本体を見ると他の表記…

2つの名詞を併記するときの表記

A and Bを日本語に訳すときの表記は「AとB」、「AおよびB」などが考えられますが、この「A and B」が1つのカテゴリの名前の場合はどうするのが適切でしょうか。 www.salesforce.com これはSalesforceの業種別ソリューションの1つであるAgentforce 360 for Me…