IT翻訳者の疑問

この業界に入って約20年。私の疑問は相変わらず解決しません。

2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

英語の一文=日本語の一文?

英語の「A is B, because C is D.」を日本語でも一文で表そうとして「Aは、CがDだからBです。」と無理矢理訳しているケースが翻訳メモリの中でちらほら見つかるのですが、日本語だけ読むとなんだかわけがわかりません。こうやって簡略化して書くとどうってこ…

override=「上書きする」?

レビューの仕事で受け取った訳文の中でこう訳されていたら、「ああ、またかぁ」という感じで適当に修正しますが、私が現在参加しているプロジェクトでは、用語集でこう定義されています。英和辞典でoverrideを引いても、「上書き」という訳はどこにも見つか…

読みづらい日本語訳

今訳している文書は、既存の文書の一部を抜き出して新たに編集したもののようで、新規翻訳も多いのですが、過去訳を流用できる部分もところどころにあります。翻訳メモリから100%マッチで流用できる分は、翻訳会社側での前処理の段階でバイリンガルファイル…

「含んでいる」

以前、あるローカライズのプロジェクトにエディターとして参加していたときに、他のエディターの一人から「“含んでいる”という表現はおかしい」という意見が挙げられたことがあるのですが、それ以来、「含んでいる」を目にすると気になって仕方ありません。…

例外をthrowする/catchする

昨日の日記に書いた「**は例外を発生します」の原文は、「** throws an exception」でした。Java関連の文書で例外をthrowすると言ったら「スローする」と訳すものだと思っていたのですが、「発生させる」という訳し方も使われているんですね。 catchの方…

「**は例外を発生します」

翻訳メモリに登録されている訳(=前バージョンのマニュアルで使われている訳)なのですが(**はソフトウェア製品名)、日本語としては不自然な感じがします。明鏡国語辞典の「発生」の項には 「〜を発生する」(他動詞)より、「〜を発生させる」(自動詞…

コメントがないのはなぜ?

他の人が訳したファイルをレビューするときは、翻訳作業用のファイルの他に、新規用語リストも受け取ります。用語集にない用語を翻訳者がリストにまとめることになっていて、 英語 日本語 ファイル名 コメント といった書式があらかじめ指定されているのです…

check forの訳し方

現在参加しているプロジェクトでは、翻訳もやればレビューもやるのですが、規模が大きいせいかレビューする訳文の質もいろいろです。しかし、未だにcheck forを「〜をチェックする」としか訳さない人がいるのはびっくりです。 たとえば、「check with the we…

one or more

クライアントから支給されるスタイルガイドに、one or moreを「1つ以上」あるいは「1つまたは複数の」と訳すと書かれていることがあります。だからといって、one or moreをいつも訳出しなければならないでしょうか? 私も以前は律儀に ジョブの実行中に1つま…

「それを/それらを」

今やっている翻訳の仕事で支給された翻訳メモリの訳文は、どうも私の好みと一致しないというか、ちょっとそのままでは使いたくないものがちらほら見つかります。特徴的なのは、 このディレクトリに既にファイルが存在する場合は、それを削除してから実行して…

「が備わっています」

http://www.google.co.jp/search?q=site:microsoft.com+%E5%82%99%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%A6&hl=ja&lr=&c2coff=1&start=50&sa=N 個人的な好みの問題ですが、「備わっています」という表現がどうにも嫌いで、自分がレビューする訳文で使われているときは即…

optional=「オプションの」?

ローカライズの仕事で支給される用語集で、optionalの訳が「オプションの」と定義されていることが多いのですが、こう訳すのはそろそろやめた方がよいんじゃないかと思います。 利用者が自由に設定できる項目という意味の「オプション」とoptionalとはちょっ…