2009-01-01から1年間の記事一覧
この間来ていたダイレクトメールによれば、Trados Studio 2009の特別価格セールは12月31日までだそうですが、実はまだアップグレードしていません。だってふだんの仕事ではTrados 7.5より新しいバージョンを要求されることがほとんどないのです。まあそのう…
私の仕事はもっぱら英語から日本語への翻訳であり、取引先もほとんどが日本国内の翻訳会社なので、仕事として英語の文章を書くことはあまりありません。それでも、翻訳したものに添えるコメント(クエリー)を英語で書かなければならないことがあります。受…
先日、あるハードウェアを制御するソフトウェアの操作説明書の翻訳レビューをしていたのですが、翻訳者はヤード・ポンド法の数値を全部原文のままにしていました。英日翻訳の仕事ではほとんどの場合、スタイルガイドや翻訳仕様書が支給されて、その中に「数…
“「IE 9」でブラウザへの本気度を示したMS--技術面での巻き返しを図る”という記事(http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20403909,00.htm)の冒頭の部分です。 Microsoftは米国時間11月18日、「Internet Explorer(IE)9」について語り、ブラ…
せっかくなので、別の部分も和訳を比較してみようと思います。抹茶アイスの想い出や日本の人々への感謝の気持ちを述べた後の部分です。 英語(http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20091115f1.html) Now, I am beginning my journey here for a simpl…
先日(11月14日)、アメリカのオバマ大統領が演説しているのをテレビで見ました。副音声で聞いていたら、ふだん訳すのに苦労しているフレーズがいくつか使われていて、アメリカの人たちはああいう表現を普段から使っているんだなと思ったものです。その一つ…
Windows SBS 2008 には、以下の 3 つのユーザー ロールが組み込まれています。標準ユーザー、ネットワーク管理者、および管理リンクの標準ユーザー。 出典:http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc794292(WS.10).aspx 最近のレビューの仕事でも、こ…
早いもので、もう11月中旬に入ってしまいました。私は相変わらずマニュアルだのマーケティング資料だのの翻訳やレビューの仕事をしていますが、先日出版物の編集を手伝う機会がありました。出版物といってもWindowsユーザー向けの冊子で、書かれていることは…
10月9日のCNET Japanの記事「YouTube買収額決定の経緯とグーグルの意図---明かされた10億ドルの上乗せ」(http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20401305,00.htm)からの引用です。 創立後18カ月の新興企業に対するこの大型買収は、テクノロジ…
「実践!作文研究」というメールマガジンのバックナンバーに、参考になりそうな記述がありましたので引用させていただきます。 http://sakubun.jugyo.jp/magazine/265.htmlメールマガジン「実践!作文研究」 第265号 2005年3月6日発行=============…
今朝、テレビをつけっぱなしにしていたら、NHK総合テレビの8時半のニュースが始まって、アナウンサーがこう読み上げるのが聞こえました。 アメリカのオバマ大統領とロシアのメドベージェフ大統領が23日にニューヨークで首脳会談を行い、 ああ、会談したん…
英文ライティングには「強調したい語句(新情報)を文末に置く」というルールがあることは『The Elements of Style』に書かれていますが(http://www.bartleby.com/141/strunk5.html#18)、英語のこのような原則はend focus(エンドフォーカス/文末焦点)と…
せっかくなので、最近考えていたことを書き留めておきます。衆議院議員選挙は終わったばかりですが、仮に立候補者がこう演説したら聴衆はどう受け取るでしょうか。 医療費を全額負担することで誰でも医療が受けられるようにします。 健康保険料の支払いもま…
「真逆」という言葉は、既に国語辞典の見出し語になるほど浸透しているようですね。国語辞典に載っているとはいっても、 俗に,全く逆さま。正反対。 (スーパー大辞林) 《「逆」を強調した俗語》まったく逆であること。正反対なこと。また、そのさま。「前…
翻訳レビューの仕事を始めたばかりの頃、「〜することで」という表現に我慢がならず、目にするたびに書き換えていました。「〜することで」には、いかにも「...ingをそのまま訳しました」という雰囲気があるので。最近では私も少し寛容になりましたが、「〜…
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/08/22メディア: 文庫購入: 32人 クリック: 197回この商品を含むブログ (313件) を見る 久々に小説を読みました。ここのところ、作り事の世界に…
「目線」という言葉の意味は「カメラ目線」のような形で使われる「目が向いている方向」だけかと思っていたら、いつの間にか国語辞典にも語義が載るようになっていたんですね。 その人の,物の見方や考え方。 「消費者の−に立って見直す」 (スーパー大辞林3…
8月4日付けのTechCrunchの記事に「見ただけで吐き気がするPRの陳腐な決まり文句: そのワースト10」(http://jp.techcrunch.com/archives/2009080110-words-i-would-love-to-see-banned-from-press-releases/)というものがあります。ワースト10とは 1 ) LE…
理科系の作文技術 (中公新書 (624))作者: 木下是雄出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1981/09/22メディア: 新書購入: 107人 クリック: 1,559回この商品を含むブログ (329件) を見るの第5章「文の構造と文章の流れ」の5.1項「レゲットのいうこと」からの…
念のために書いておきますが、私は変な訳の指摘を趣味にしているわけではありません。ふだんの翻訳レビューの仕事で見かけるのと同じ傾向がWebの記事にも現れているので、「なぜ多くの翻訳者がそういう訳し方をするのだろうか」を考えるための例として引用し…
「「Firefox 3.5」リリースと新局面を迎えたブラウザ競争」という記事(http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20395962,00.htm)の2ページめからの引用です。「ユーザー向け新機能」の第4段落です。 MozillaはまたHTMLビデオにも刺激を受けた。…
英語を使う仕事をしていながらこんなことを言うのも何ですが、「英語とは結論を先に、理由を後に述べる言語である」ということを以前はあまり意識していませんでした。そんなこと教わった記憶はないし。でも、Googleでちょっと検索してみたらhttp://www.gifu…
ふだん英日翻訳レビューの仕事をするときは、日本語訳だけを見て、引っかかったら原文とじっくり照らし合わせてチェックすることにしています。日本語が不自然な場合は、原文の解釈に無理があったり、訳語の選択が不適切だったりすることが多いので。でも、…
severalについては以前も取り上げたように思いますが、機械的に「いくつかの」と訳されているのを今でもレビューの仕事でたびたび見かけます。確かに英和辞典には「いくつかの」という語義が載っていますが、訳文の中で「いくつかの」という表現がいつもぴっ…
第4に、ウェブ開発を仕事にしている人たちは多数いるものの、複雑なアプリケーションを記述できる程度に、必要なテクノロジに精通した開発者はそれほど多くないといっていい。 出典:http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20396569-3,00.htm Fo…
ちょっと暇だったので「Google Translator Toolkit」をいじってみました。危ないですねぇ。英文テキストのファイルをアップロードすると、TM(Translation Memory)からの流用(Exact Match)と機械翻訳によるpre-translationが行われて、その後で自分で訳文…
ある企業の活動を紹介するWebページの翻訳レビューをしていたのですが、そのページにはその企業が関与する組織(標準化団体など)の一覧があります。で、その組織名の一つに「Webで見つからなかったのでスペルミスだと思います」という翻訳者コメントが付い…
私自身も山岡洋一氏の著書を読んで気付いた口なので偉そうなことは言えませんが、英語のincludeを機械的に「〜を含む」と訳すと不自然になることがあります。英単語のあぶない常識―翻訳名人は訳語をこう決める (ちくま新書)の“INCLUDEは「含む」か”の項に 日…
Googleで「翻訳メモリ」を検索すると、最初に現れる結果は翻訳メモリ - Wikipediaですが、この記述がひどい。 翻訳メモリ(ほんやくメモリ 英:translation memory)とは、原文と翻訳文を一対としてデータベース化し、その内容を自動的に繰り返し利用するこ…
ある翻訳会社のプロフィールを読んでいたら、「翻訳メモリーを使うような案件ではなく、翻訳者の力量が問われる分野の翻訳が得意である」という記述がありました。えーと、翻訳メモリー(TM)を使う案件では翻訳者の力量は問われないのでしょうか。「力量」…