IT翻訳者の疑問

この業界に入って約20年。私の疑問は相変わらず解決しません。

2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

箇条書きの訳し方

何を今更という感じですが、箇条書きが何のためにあるかをわかってない人がたまにいます。 たとえば、「Supported operating systems:」に続く UNIX Linux Windows operating systems except Windows Me という箇条書きが、 UNIX Linux Windows Meを除くWind…

素読みしてますか?

翻訳作業の見直しといえば、原文と訳文を突き合わせてチェックするのが一般的ですが、読者になったつもりで訳文だけ読むという作業も必要です。が、この作業をしていない人も結構いるのではないかと思います。「は、〜です。は、〜します。」のように、同じ…

「簡素化」

simplifyの“定訳”みたいです。いつの間にそうなったのかは知りませんが。「simplifies network management」のような表現はホワイトペーパーにしょっちゅう現れるのですが、「ネットワーク管理を簡素化します」と訳す人は多いですね。 「簡素」を国語辞典で…

「ウイルス」vs「ウィルス」

何年か前に、あるプロジェクトで「ウィルス」ではなく「ウイルス」と表記するようにという指示を受けて以来、私は特に指示がなくても「ウイルス」と表記することにしています。トレンドマイクロやマカフィーの製品名も「ウイルス〜」だし、国語辞典や百科事…

foolproofではない翻訳支援ツール

Tradosという翻訳支援ツールの翻訳作業用のユーザーインターフェースとしてMS Wordが使われていることについて、最初はすごいアイディアだと思いましたが最近はそうでもなくなりました。ソフトウェアなんてのは人間の仕事を楽にするためにあるのに、Tradosは…

文脈情報のない用語集

TradosのMultiTermのように、完成した「用語集」の訳を訳文に取り込むためのしくみはいくつもありますが、まともな「用語集」の作り方は意外とどこにも書かれていないように思います。単に英語の語句とその訳を並べただけの「用語集」も多いですね。「言葉の…

英語の語順=日本語の語順?

ソフトウェアの「最小システム要件」の箇条書きにありがちですが、 256MBのシステムメモリ 500MBのディスク空き領域 という「の〜」という表現はいかがなものでしょうか。いくら原文(英語)で 256MB system memory 500MB free disk space と書かれていたと…

「原文の意味がわかりません」というコメント

翻訳レビューの仕事をしていて、翻訳者から「原文の意味がわかりませんでした」というコメントをもらう時ほど頭に来ることはありません。わかれよと言いたい。だいたい、「原文の意味がわからない」というコメントをそのままクライアントに提出できるわけが…

「誰が訳しても同じ訳」は可能ですか?

昨日の日記を書いた後で思ったのですが、「原文に忠実な訳」は別に悪くないですね。provide=「提供する」、match=「一致する」のように英語の単語と日本語の単語を1:1にしようとする習慣がいけないのです。最近はどうだか知りませんが、何年か前はローカラ…

「便利な方法が提供されます」

ここのところホワイトペーパーの翻訳のレビューをしているのですが、この手の訳文の連続で、もううんざりです。なぜそこまで「提供します」を忌み嫌うかというと、このような「原文に忠実な訳」で満足しちゃっている人は、訳文が意味不明でも何とも思わない…