先日取り上げた「Trados Studio 2026リリースの最新情報」のページからリンクしているブログにも、Trados 2026についての情報があります。
このページには4つの項があり、Trados 2026の最新情報のページの箇条書き4項目と対応しているようです。その中の、「用語集を正確かつ強力に管理」という項の最初の段落には、次のように書かれています。
用語集は高品質な翻訳の基盤となります。そして、企業ブランドのメッセージを守る鍵であり、LSPにとっての価値提案であり、個人翻訳者にとって真のプロ意識の証です。Trados Studio 2026リリースでは、用語集ワークフロー全体が改善され、より強力かつ直感的に使用できるようになります。ここで、Trados Termbase(.TTB)についてご紹介しましょう。これは、用語認識の正確性と信頼性をさらに高めるために構築された、最新のローカル用語データベース形式です。
「用語集は高品質な翻訳の基盤となります。」はわかるのですが、「個人翻訳者にとって真のプロ意識の証です。」とは。私は20年以上この仕事をしていますが、用語集についてこのような意識を持ったことはありませんでした。プロではないということでしょうか。
英語版では、次のように書かれています。
Master terminology with precision and power
Terminology is the bedrock of quality translation, the key to protecting a corporate brand voice, a value proposition for LSPs, and a mark of true professionalism for freelance professionals. Studio 2026 Release will refine the entire terminology workflow, making it more powerful and intuitive. We will be introducing Trados Termbase (.TTB), a new, modernized local termbase format built for more accurate and reliable term recognition.
やはりterminologyが「用語集」と訳されているようです。Tradosという製品のterminologyにおいてterminologyという用語の日本語訳が「用語集」と規定されているとしたら、その訳で統一するのは翻訳者として当然ですが、ではその訳が自分の担当の文脈には当てはまらないとしたら?発注元(=用語集を作った人)に対しては「用語集の訳を守った」ということで自分の仕事を果たしたことになるのですが、読者に誤解を与えてしまったら、その責任は誰にあるのでしょうか。
次の段落も見てみます。
こうした機能強化により、個人翻訳者はプロジェクト固有の用語を簡単に維持できるようになります。企業やLSPの場合、この改善はサーバー環境とクラウド環境全体に適用されます。用語管理のための新しいREST APIにより、ビジネスシステムとのより深く柔軟な統合が可能になります。また、用語追加のためのワークフローの強化と禁止用語のよりスマートな処理により、クラウド上で作業する大規模な分散チームの連携を妨げる障壁がなくなります。
These enhancements will make it effortless for freelance translators to maintain project-specific terminology. For corporations and LSPs, the improvements will scale across server and cloud environments. A new REST API for terminology will enable deeper, more flexible integrations with your business systems, while an enhanced workflow for adding terms and smarter handling of forbidden terms will remove collaborative barriers for large, distributed teams working in the cloud.
「個人翻訳者はプロジェクト固有の用語を簡単に維持できる」は、意味がよくわかりませんが、ここではterminologyが「用語」なんですね。プロジェクト固有の用語の使い方を守るための労力が減るということでしょうか。その後のA new REST API for terminologyのterminologyの訳は「用語管理」なんですね。改めて項の見出しを見るとMaster terminology with precision and powerが「用語集を正確かつ強力に管理」ですが、「用語集を強力に管理する」とは一体何を指しているのか、長いことこの仕事をしていますが、よくわかりません。