Get ready for Trados Studio 2024のページ(https://www.trados.com/spotlight/get-ready-for-trados-studio-2024/)にはaccessibilityという単語が1回出現しますが、日本語版のページ(https://www.trados.com/jp/spotlight/get-ready-for-trados-studio-2024/)では「アクセス性」という表現が使われています。
With enhanced accessibility features and improved cloud capabilities for working in the office or on the go, Studio 2024 will empower translation professionals to deliver better translations, emphasizing inclusivity and innovation.
アクセス性が強化され、社内外での作業を可能にするクラウド機能が向上されているTrados Studio 2024は、プロの翻訳者が包括性とイノベーションを重視しつつ、より優れた翻訳を提供できるように支援します。
同じページに、accessibleという単語が2回出現し、日本語版ではその一つに対応する部分で「アクセス性」という表現が使われています。もう一つの部分でははっきりとは訳出されていません。
We are currently living in an incredible era of technological advancements, however, sometimes people with diverse needs get left behind. Considering this, Studio 2024 will become the most accessible, feature-rich CAT tool on the market with the launch of a number of features for the visually impaired.
With Studio 2024, users will be able to complete a fully accessible project roundtrip using screen readers – empowering everyone to translate, however they want to work. Extending beyond the desktop, Studio 2024 will also add dictation capabilities to the online editor.
今、私たちはテクノロジーが進化する驚異的な時代に生きていますが、多様なニーズを持つ人々が取り残されてしまうこともあります。当社はこうした状況を考慮して、視覚障がいを持つユーザー向けの機能を多数リリースし、Trados Studio 2024を市場で最もアクセス性に優れ、機能の充実した翻訳支援ソフトウェアにします。
Trados Studio 2024では、音声読み上げ機能を使用してプロジェクト全体を運営でき、誰もが望む方法で翻訳することができます。Trados Studio 2024では、デスクトップだけでなくオンラインエディタにも音声入力機能が追加されます。
このaccessibilityとaccesibleの日本語訳は「アクセス性」で通じるでしょうか。「Trados Studio 2024はアクセス性に優れたソフトウェアである」という文章を読んだときに、何をイメージするでしょうか?
英単語のaccessible/accessibilityにもいろいろな意味がありますが、「easily used or accessed by people with disabilities : adapted for use by people with disabilities」(https://www.merriam-webster.com/dictionary/accessibility)という意味で使われているときは、対応する日本語表現は「アクセシビリティ」としたほうが通じやすいのではないでしょうか。なんでもカタカナ語で済ませるのは確かに良いことではありませんが、「アクセス性」でも「アクセス」というカタカナ語はそのままですよね。
ちなみに日本国の政府も「ウェブアクセシビリティ」の向上を呼びかけています。
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202310/2.html
ここまで書いたところで、Trados Studio 2024のウェビナー案内のメールをもう一度見てみたら、こちらでは「アクセス性」ではなくて「アクセシビリティ」という表現が使われていました。用語の統一はどうなっているのでしょう。