Google検索結果の件数は「日本語としての正しさ」の判断基準になるか

せっかくなので、ここ数日の間に考えたことを書き残しておこうと思います。

  • Google検索結果の件数というのは、「Googleが持っているキャッシュの中で、Googleの基準で数えた出現回数」ですよね。それを「日本語として通用するかどうか」の基準として使えるものかどうか。私自身は、参考にはしますが、クライアントに提出するコメントなどの公式の場では使用しません。「Googleが持っているキャッシュの中で、Googleの基準で数えた出現回数」でしかないから。
  • Googleの検索対象というのは、誰でも自由にアクセスできるWebページに限定されているので、プロが書いたものほどヒットしにくいということになります。「上から目線」という言葉をGoogle.co.jpで検索すると結果は約1,030,000件です。この数字をどうとらえるか。それだけ多くの人が使っているのねという感想しかありません。日本語として正しいかどうかを判断するには、件数よりも、だれが使っているかが問題でしょう。企業のサイトや出版物などの「プロが書いた文章」以外はあまり参考になりません。
  • 字面が同じでも意味が同じとは限らない。「ネットワークカード」のすべてがネットワークインターフェースカードを指しているとは限りません。「ネットワークカードゲーム」の「ネットワークカード」は違いますよね。
  • Google検索結果の件数=用例の数ではない。たとえば、"ネットワークカード"の検索結果は約180,000件ですが、"プレイステーションネットワークカード"の検索結果は約8,780件あります。"プレイステーションネットワークカード"という固有名詞は、何回出現しようが"ネットワークカード"の用例としては1件とカウントすべきでしょう。
  • 同じコンテンツがあちこちで引用されるとその分検索結果の件数が増える。"増田さんへ。私は久しぶりに激怒しました。"の検索結果は約11,700件もあります。
  • 用例が少なかったら「誤用」でしょうか? "ネットワーキングカード"の検索結果は約115件ありますが(8月25日現在)、私のブログは置いといて、itmedia.co.jpやjapan.cnet.comやcisco.comやjp.sun.comやdocs.info.apple.comやmsdn.microsoft.comやcomputerworld.jpやitpro.nikkeibp.co.jpなどのサイトで使用されています。他にも、書籍の見出しで使用されていますが、これらは「Googleの検索結果が圧倒的に少ないから誤用」でしょうか。これらのページのオーナーに「ネットワーキングカード」という日本語は日本語として通用しないから「ネットワークカード」に修正したほうがいいですよと言えますか? 私のような末端の翻訳者が言ったところで余計なお世話と言われるのでそんなことは言いませんが(カリスマ翻訳者のような人が言えばまた説得力も違うかもしれません)。
  • 同じものを表しているのに違う表記といえば「負荷分散」(Googleの検索結果約1,260,000件)と「ロードバランシング」(約38,800件)などの例が思い浮かびますが、このどちらかは「日本語として間違い」なんでしょうか。
  • load balancingの訳は「負荷分散」と「ロードバランシング」だけかと思ったら「ロードバランス」というのもあるんですね)。Googleでそのまま検索すると約84,700件あります。