複数訳文を許可しない翻訳メモリ

Tradosで翻訳メモリを作成するときのオプションに「複数の訳文を許可する」があるのですが、現在取りかかっている仕事で支給されたメモリではそのオプションがオフになっています。つまり、原文と訳文は常に1対1になるということです。「一度訳した文章を二度訳す必要はないから原文と訳文は常に1対1で何の問題もない」と言われるかもしれませんが、それは文章の場合です。「Yes」はいつでも「はい」でよいか。OSと機能のマトリックスなどでYesが「対応」などと訳されているかもしれません。「No.」を「番号」と訳さなければならないのに、メモリにあったからといって「いいえ。」を当てはめてしまったら喜劇です。「Description」は、表の見出しならば「説明」だし、コマンドのパラメータの一つならば「Description」のままかもしれない。
文章にしても、“Click Finish.”のような短いものは要注意です。Finishというのはダイアログボックスのボタンか何かですが、ソフトウェアによって「完了」だったり「終了」だったりします。日本語化されているソフトウェアに組み込まれたプラグインローカライズされておらず英語版のみということもないとはいえません。その場合は“「Finish」をクリックします”と訳すことになります。
メモリを作った人はあまり考えずにこのオプションをオフにしたのだと思いますが、翻訳が完了してメモリを更新するときにどれか一つしか反映されないんですよね。で、次のバージョンでは「100%マッチはなにもしない」ということで“Click Finish.”は全部“「Finish」をクリックします”になってしまうと。