いい加減な説明

ここのところ、あるソフトウェアの入門ガイドのようなものの翻訳レビューをしていたのですが、訳文だけ読んでもさっぱり理解できない日本語が次々現れるのでうんざりしてます。いつものことですが、入門者向けなので、日本語訳だけ読んで理解できなかったら何の意味もないんですが。
入門者向けではありませんが、一般公開されているWebでさえも意味不明な訳文がそのままになっています。

CNG (Cryptography Next Generation) のセキュリティで保護された通信の例では、ChannelManager クラスでこの例に用いるプロセス間通信 (IPC) インフラストラクチャを提供します。
出典:http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/cc488017.aspx

さて、「ChannelManager クラスでこの例に用いるプロセス間通信 (IPC) インフラストラクチャを提供する」のは誰の動作でしょうか。
英語版では

In the Cryptography Next Generation (CNG) secure communication example, the ChannelManager class provides the interprocess communication (IPC) infrastructure for the example.
出典:http://msdn.microsoft.com/en-us/library/cc488017.aspx

となっています。ChannelManager classが何かを「用いる」なんてどこにも書かれませんよね。「the Cryptography Next Generation (CNG) secure communication example」というのは、一つ上の階層のトピック「Cryptography Next Generation (CNG) Secure Communication Example」(http://msdn.microsoft.com/en-us/library/cc488018.aspx)のことですが、その中に

The company creates a new IM tool that relies on named pipes (or channels) for interprocess communication (IPC). This version does not use encryption or digital signatures.

という記述があります。要は「ChannelManagerクラスがこの例のプロセス間通信 (IPC) インフラストラクチャとなります」ということですよね。そのまま「ChannelManager クラスがこの例のプロセス間通信 (IPC) インフラストラクチャを提供します」ならまだしも、「クラスが」を「クラスで」に変えたのは「無生物主語+能動態(提供)」を回避するためでしょうか。そういう、「ベンダーとしての評価を下げないためのテクニック」に走る前に、読者に意味が伝わるように訳しませんか?