social networking=「ソーシャルネットワーク」?

http://japan.cnet.com/news/service/35005216/に、このような記述がありました。

ソーシャルネットワーク参入に向けたGoogleの最新の取り組みである「Google+」のユーザー数が1000万人に達したことが正式に明らかにされた。

私の知り合いはだれもGoogle+を使っていないようで、したがって私自身もまったく使っていませんが、Googleは「ソーシャルネットワーク」に参入しようとしているのでしょうか。
この記事の原文(http://news.cnet.com/8301-1023_3-20079567-93/google-officially-tops-10-million-users/)では、

Google's latest social-networking experiment is officially 10 million users strong.

と書かれています。「social-networking experiment」を意訳した結果、「ソーシャルネットワーク参入に向けた取り組み」になったとも解釈されるのですが、どうも例の「英語の単語をそのままカタカナ表記するときに原語の語形変化を無視するという規則あるいは慣習」が影響しているように見えてしまいます。
そのような規則や慣習の存在については、未だによくわからずにいますが、語形変化の前と後で意味が同じならカタカナ語として区別する必要はないという趣旨の文書を少し前に見かけたことがあります。確かに、SNSが「ソーシャルネットワーキングサービス」でも「ソーシャルネットワークサービス」でも、普通の日本人にとっては大した違いはないかもしれません。しかし、Googleが参入しようとしているのは「ソーシャルネットワーク」でしょうか。英和辞典でも、networkingは独立した項になっていて「(人との)ネットワーク作り.」(研究社新英和中辞典)といった語義が載っています。SNSのユーザー全員が1つのネットワークを構成しているという考え方もあるかもしれませんが、ネットワークはユーザーひとりひとりが作るものだと思います。
ですから、「Facebookは世界最大のソーシャルネットワークである」などという表現は、他の人が使っていてもいちいち指摘したりはしませんが、英日翻訳者としては使いたくありません。networkingが形容詞として使われているときは「ネットワーク」でよくても、可算名詞のnetworkとの区別が必要であるときは、もう少し考えたほうがよいと思います。安易にカタカナ語を作るのはよくないのですが、最近では英語圏から入ってきて定訳を決める暇もないうちに広まってしまう概念が多いんですよね。「コーチング」とか、下手に訳すと通じなくなってしまいますし。