「圧縮・解凍」

「一般的に使われているらしいけれども自分では使いたくない言葉」で思い出すのが「ファイルの圧縮・解凍」の「解凍」です。http://e-words.jp/w/E8A7A3E5878D.htmlにも「データ圧縮」分野の用語の一つとして掲載されているし、最近では大辞林などの国語辞典にも「コンピューターで、圧縮されたデータを一定のアルゴリズムを用いて変換し、もとに戻すこと。展開。」という語義が載っています。IBMの用語集(https://www-06.ibm.com/jp/manuals/nlsdic/nlsdic.html)でも、extractの訳の一つに「解凍 [圧縮ファイル]」があります。ちなみに、マイクロソフトはdecompressの意味のextractの訳を「展開する」と定めているようです(http://www.microsoft.com/language/ja/jp/search.mspx?sString=&langID=ja-jp)。
「圧縮されたデータを元に戻す」という意味での「解凍」はどれくらい世間に受け入れられているのでしょうか。「Web検索結果がすべて」主義の人ならば、Googleでの

ファイル "圧縮解凍" の検索結果 約 306,000 件
ファイル "圧縮展開" の検索結果 約 30,900 件

という結果を根拠に「解凍」は「展開」の10倍も使われていると言うでしょう。キーワードを変えれば、

"圧縮ファイルを解凍" の検索結果 約 170,000 件
"圧縮ファイルを展開" の検索結果 約 8,610 件

と、もっと差が開きます。
しかし私は「解凍」を使うぐらいなら「展開」を使うことにしています。なぜなら「ファイルを解凍する」という表現に違和感があるからです。「解凍」というのは、冷凍食品のように冷凍されているものを常温の状態に戻すことですよね。圧縮ファイルは冷凍されているのでしょうか。アーカイブ=凍結と考えれば、凍結解除の意味で「解凍」を選んだというのもわからなくはありませんが、だいいち、冷凍しても体積が変わるわけではありませんよね。そこが最も引っかかるところです。
「圧縮されているファイルを解凍する」という表現に違和感を持つのは私だけではないはずです。以前と違ってパソコン好きだけがパソコンを使う時代ではなくなっているので、パソコン用語集を調べなければわからないような表現を使うのは避けた方がよいと思います。