昨日取り上げたMicrosoft Office Onlineのページは比較的最近翻訳されたものだと思いますが、せっかくなのでこのページの他の部分も見てみます。
電子メール メッセージとして送信する
ニュースレターは、電子メール メッセージとして、または電子メールの添付ファイルとして、1 人または多数の顧客に対して送信することができます。一般に、宛先が数人程度であれば、単に電子メール メッセージとして送信することができます。
出典:http://office.microsoft.com/ja-jp/publisher/HA101004921041.aspx
Send as an e-mail message
You can send your newsletter as an e-mail message or as an attachment to an e-mail message to one or many recipients. If you want to send your newsletter to just a few recipients, you can simply send it as an e-mail message.
出典:http://office.microsoft.com/en-us/publisher/HA101004921033.aspx
前にも書きましたが、私自身はなるべく「できます」を減らすことにしているので、このように「できます」が続いていると非常に気になります。英語では、canの他にlets youやenables youなど、変化を付けることができますが、日本語ではそのまま訳すと全部「できます」になってしまうので。
最初のセンテンスで言いたいことは、「ニュースレターを電子メールで送信するには、メッセージとして送信するか、添付ファイルとして送信する」ということですね。「to one or many recipients」をどうするかですが、「メールを1人に送ることも多数に送ることもできる」というのは、わざわざ言うほどのことでしょうか。次のセンテンスに「just a few recipients」とあるので、そこにつながっているわけですね。
simplyを「単に」と訳すのも、IT翻訳にありがちですが、これは「そのまま」などと訳したほうがよいと思います。
「数人程度ならばメールメッセージとして送信できる」の理屈もよくわかりません。一般論なのか、Publisherの機能として「できる」のか。宛先が多数だったらどうするのかがわからないし、添付ファイルはどういうときに使うのかも書かれていないのですが、これは翻訳の問題というより原文の問題です。
ということで、私ならば
ニュースレターを電子メールで送信するには、メール本文として送信する方法と、電子メールの添付ファイルとして送信する方法があります。宛先は、1 人のことも多数のこともありますが、数人程度であれば、そのまま電子メール メッセージとして送信してもよいでしょう。
などと修正したくなりますが、翻訳支援ツールを使うという条件の下では、原文と訳文とでセンテンスの区切りが対応しないので嫌がられるでしょうね……。