Trados関係のメールは特定のフォルダーに振り分けるようにメールソフトを設定しているのですが、振り分けたまま読んでいないメールが結構たまっていました。日本語のと英語のと両方来るんですよね。一番新しいのは「TRADOS 7 / SDLX 2005 からのアップグレード終了についてのご案内」という件名のもので、「お客様各位 日頃は格別のご高配を賜り厚くお礼申しあげます。」から始まる普通の文章が、他のいかにも英語から翻訳しましたというメールの文面と対照的です。「三世代またはそれ以上古いバージョンについては、アップグレードはご提供されません」という敬語の使い方はどうなのよと思いますが。Studio 2009先行販売開始のころなんて「電撃的ニュースです。期待が最高潮に高まっています。生産性を向上させる革新的な翻訳ツール、SDL Trados Studio 2009 が間もなくあなたのデスクトップにお目見えします!」ですからね。確かそのころは、TradosのWebサイトの文章もなかなかすごくて「アップグレードしないとしたら、どうかしています!」などと書かれていました。見込み客相手にその言い方はないだろうと反省したのか、今ではそのページは削除されたようですが。
6月17日付けのメールの件名は「SDL Trados Studio 2009がリリースされました―AutoSuggestをお試しになりましたか?」でした。「特許取得済みの AutoSuggest™ は、SDL TRADOS テクノロジからリリースされた最新の翻訳メモリ ソフトウェアに搭載されたさまざまな革新的な新機能の 1 つに過ぎません」だそうですが、あれこれ書いたあとに
(注)AutoSuggest™は、日本語を含むアジア言語は対応されておりません。
ですって。そんなオチがあったとは。先に言ってほしいものです。日英翻訳では使えるのでしょうか?
私自身は今のところTrados 7.5でまったく困っていないので、新しいバージョンにアップグレードできなくなる前にアップグレードすればいいかぐらいにしか思ってません。新しいバージョンにはそれなりのメリットがあるのでしょうが、こちらが2009にアップグレードしても発注側が古いバージョンのままだったら使えないし。だからフリーランス翻訳者相手よりも翻訳会社、翻訳会社よりも発注側の企業に売り込んだほうが効果的だと思うのですが。ソースクライアントが2009にするといえばMLV以下、世界中の下請け翻訳会社と翻訳者が2009にアップグレードしなければなりませんからね。
それよりTradosを売っている会社はローカリベンダーでもあるのだから、ライセンスを購入した翻訳者には購入額相当の仕事を発注しますとでもいえばライセンスが売れるのではないかと思いますが、それでは内職商法になってしまいかねませんね。