IT翻訳者の疑問

この業界に入って約20年。私の疑問は相変わらず解決しません。

日本人は理由を軽視している?

主語が大きくて申し訳ありません。でも最近こう思うことが増えてきました。理由をきちんと説明しないから余計な誤解やアンチを招いたりしているのではないかと。

今の日本では、たとえば商業施設に入るときにマスク着用が求められますが、それはなぜでしょうか。「感染予防」だけでは漠然としています。COVID-19という感染症のウイルスが人の呼吸器から飛沫に混じって飛ばされるらしいので、万が一自分がウイルスを持っていた場合に他人に移さないようにするためと、他者の呼吸器から飛んで来た飛沫が自分の鼻や口から体内に入るのをなるべく防ぐためですよね。皆さん、このことを考えてマスクしているのでしょうか。なんとなくしているから、やれ同調圧力だの、マスクをしない自由を認めろだのと主張する人が現れたりするのかもしれません。ウイルスをばらまく自由が認められるかどうか、考えてみたことはあるのでしょうか。

マスクなしで至近距離で会話することが感染リスクを高めるのだから、感染が急拡大しているときは会食の機会そのものを減らそうということになります。飲食より会話がメインになる時間帯の飲食店休業や酒類提供の中止を要請したりしているのに、20時までなら大丈夫と言う人の頭の中はどうなっているのでしょう。お酒がウイルスを運ぶわけではないのはその通り。孤食・黙食を徹底できれば、「飲食店いじめ」に見えるような要請は必要ないんですけどね。

最近は一事が万事この調子で、理由を考えずにあれこれ批判する人がそこら中にいるのでネットの記事を見るだけで疲れてしまいます。ワクチンの職域接種のニュースを見れば大企業優遇だのなんだのと騒ぐ。今はとにかく大勢の人に接種して免疫を持たせたいのだから、接種のための人員と場所を自分で用意してくれる企業に声をかけたということですよね。だから企業に限らず、確か千人以上の接種希望者を集めることができればフリーランス協会のような組織でも職域接種を実施できると聞いています(私はこれには参加していませんが)。

誰もが初めて経験することなのだから、何もかもうまくいくとは限らない。意見を言うのは自由ですが、もうちょっと考えてから発信できないものでしょうか。