目新しいIT用語に遭遇したときは、業界標準の日本語訳を調べるためにMicrosoftの用語集も見ることにしています。そこで、NVIDIAのWebサイトにあったsoftware definedを検索してみました。かつての「ランゲージ ポータル」はどこかに行ってしまいましたが、Microsoft Terminology - Globalization | Microsoft Learn というページにあるリンクからMicrosoft Terminology Searchのページにアクセスできます。
Microsoftの用語体系では、software-definedは「ソフトウェアによる」なのですね。
software-definedという用語のConceptは
Pertaining to a technology trend in which technology functions are moved to a virtualized infrastructure.
なのですが、ひとつのtechnology trendを表す言葉として「ソフトウェアによる」はちょっと弱いというか、technology trendと気づいてもらえないのではと思います。
この用語集には、Software-Defined Networkingも登録されています。
ここでも「ソフトウェアによるネットワーク制御」と、「ソフトウェアによる」が使われています。そのConceptは
The use of software to dynamically extend a physical computer network to include pooled and automated virtual resources.
ですので、「ソフトウェアによる」とした気持ちもわからなくはないのですが、definedの意味を反映しなくてよいのでしょうか。この手の新語は逐語訳しておいたほうが無難だと思います。さもないと、別のコンテキストで使われたときに不自然になるような気がします。たとえばsoftware defined storageが「ソフトウェアによるストレージ」、software defined datacenterが「ソフトウェアによるデータセンター」と訳されていたら、これらの用語の持つ意味が日本語できちんと伝わるでしょうか? これがMicrosoft製品だけで使われる用語なら、Microsoftが好きなように決めればよいのですが。
Microsoftの用語集での検索結果をよく見たら、Windows Server software-defined programという用語も登録されているのがわかりました。この日本語訳は「Windows Server のソフトウェアによるプログラム」という、用語集に忠実ではあるもののよくわからない言葉になってしまっています。