IT翻訳者の疑問

この業界に入って約20年。私の疑問は相変わらず解決しません。

「述語から読む・訳す」とは

しばらく前に、 「述語から読む・訳す」というテーマのセミナーが開催されていることをネットで見かけましたが、具体的にどういう技法のことなのか、なかなかイメージがつかめませんでした。衛星図の例も見たような気がしますが、その例文が、文章術を教えるために作られた単文だったりすると、本当に現実に応用できるの?と思ってしまいます。しかし、先日の帽子屋さんのブログ(# 述語から読む・訳す ― 陳腐なパターン訳に陥らないために - 禿頭帽子屋の独語妄言 side α)を見て少しだけわかったような気がします。「どうだ」や「どうなった」といった述語から文章を組み立てていくということですね。

ここでtrados.comの文章が例として使われていましたが、こういう生きた例を使って「どうだ」「どうなった」を考えるのが一番役に立つと個人的には思います。文というのはそれだけで存在するのではなく、多くの場合は段落の一部だし、段落という形を取っていなくても何らかの背景があるはずです。どんな短い文章でも、その前後関係や背景を考えて読んだり書いたり訳したりしているはずですよね。